復興特別所得税の源泉徴収

源泉徴収が2.1%増額

 

東日本大震災の復興財源として平成25年1月1日から25年間、復興所得税の課税がはじまります。

税率は、所得税の2.1%相当額とされています。

 

給与については、税額表が年末調整書類と一緒に送付されていると思いますので、そのとおりに徴収すれば済みます。

 

そして、我々士業に対する源泉徴収税率は、100万円までは、10%から10.21%に100万円を超えた金額相当額には、20.42%の徴収となります。

 

なお、配当の源泉は同様に上場株式であれば平成25年は7.147%、平成26年以降は15.315%、非上場株式は、20.42%となります。

 

復興所得税を分ける必要はない

 

実際の源泉徴収実務ですが、所得税と復興所得税に分ける必要はなく、源泉徴収の対象となる金額に、そのまま7.147%や10.21%などの税率を乗じて合計額を算出し、1円未満の端数を切り捨てます。

 

 

納付方法は従前どおり

 納付書も、所得税と復興所得税、別々にあるわけではなく、一緒(1枚)になっているため、所得税と復興所得税の合計額を記載し、原則として翌月10日までに納付することとなります。

 

 したがって、実務においての変更点は税率のみと考えて問題はありません。

 

非居住者に対する源泉徴収

 最近では、事務所のオーナーが外国人の場合もすくなくありません。また、海外への転勤で、転勤した従業員の自宅を社宅として会社が借りる場合もあります。

 

 その場合は、従前は、原則として20%を源泉徴収していましたが、これも復興所得税との合計20.42%を源泉する必要があります。

 

租税条約が優先

 

 一方で、シンガポールやオランダなどの有数国とほとんどの所得について租税条約を締結し、限度税率を規定している場合もあります。

 その場合は、国と国との条約ですから、その租税条約が優先されるため、限度税率を超えての課税はできず、復興所得税は課税できません。

 

 しかし、実際の現場では…、

確かに租税条約は締結していても、肝心の当事者が租税条約に関する諸届を税務署にしていない場合も多いです。その場合は、原則どおり20.42%の源泉徴収となります。