譲渡所得には注意が必要です

個人の確定申告が一段落して、日々の業務はやっと落ち着きを取り戻してきております。
今回の確定申告では不動産などの譲渡をされた方が多かったように思えます。
譲渡所得は対価から取得費を控除した譲渡利益に課税されるためそれほど難しくはありませんが、実は注意をすべき点は、他の所得に比べると多くあります。

1.取得日の確認

譲渡所得においては、"所有期間の長短"が受けられる優遇規定の条件の1つになることが多いため、重要です。売買契約書は注意深く確認しなければなりません。

2.取得費の確認

かなり前に取得した資産や相続贈与により取得した資産になると、取得費が不明であったり、取得に関する資料を紛失するなどのケースがあります。不明でも譲渡対価の5%は控除できますが、税負担がかなり変わってくることも考えられるため、取得に関する資料は大切に保管しましょう。

3.譲渡日の確認 

譲渡日は取得日と同様に所有期間の判定要素となりますが、売却検討段階であれば、売却を遅らせることにより優遇規定を受けることが可能になったり、納税資金の確保に余裕が持てるようになります。また当然ですが、譲渡をした日の属する年に確定申告をするため、こちらも売買契約書の譲渡日をよく確認する必要があります。

4.譲渡対価の確認

譲渡対価固定資産税相当額として受け取った金額も譲渡対価に含めることになるので、売買契約書と実際の入金額の確認が必要です。

5.その他

また必要添付書類ではありませんが、謄本の内容も確認が必要です。共有持分があれば按分も必要になりますし、共有者によっては必ずしも利用目的が同じとは言えず、どちらかは優遇規定が適用できない場合もあります。古い建物になると登記自体がされていないケースもありますので、謄本の確認も重要な作業といえます。

売却"前"に専門家に相談を

このように譲渡所得は、取引自体は単純ではありますが、書類確認と優遇規定の検討にかなり時間と神経を使います。
申告書の添付書類も多く、これに買換資産の取得などが追加されるとさらに煩雑さは増してきます。
特に不動産については金額が大きくなるため、売却後ではなく売却前に専門家に相談するようにしましょう。


このコラムは、平成27年3月30日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、当事務所までご相談ください。

  

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