国外居住親族にかかる扶養控除等の適用について

平成27年度の税制改正で、年末調整の際、国外にお住まいの扶養親族等を有する方で、扶養控除等の控除を受けようとする方は「親族関係書類」と「送金関係書類」の勤務先への提出が義務付けられるようになりました。

年末調整を受ける方は、11月から12月にかけて、扶養する配偶者や親族の氏名を「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載して勤務先に提出します。
その記載内容に基づき、年末調整の計算が会社にて行われます。

年末に配られるこの申告書に今年の扶養家族を記載する、という流れはご存知の方も多いことと思います。

今回の改正は、扶養親族等のうち国外にお住まいの方がいらっしゃる場合、今までは氏名の記載だけで扶養控除を受けられたものが、出生証明書パスポートの写し送金明細等の書類を用意しなければ控除を受けられない、といったものになります。

この改正は平成28 年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について適用されることから、今回の年末調整では書類の準備は不要ですが、次回の年末調整から必要になります。
外国の自治体等の発行した各種証明書や送金明細など、急には準備できない書類もありますので、該当する社員がいる企業様などはこの機会に早めの通知の徹底をされてはいかがでしょうか。

1.国外居住親族、親族関係書類、送金関係書類とは

国外居住親族とは、国外に居住する親族(民法の規定による親族と同じ:6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族)です。

親族関係書類とは、次の①又は②のいずれかの書類で、国外居住親族が居住者の親族であることを証するものをいいます。

① 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)

送金関係書類とは、次の書類で、居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。

①  金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類
② いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示等してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者から受領し、又は受領することとなることを明らかにする書類

2.注意点

・親族関係書類、送金関係書類が外国語で作成されている場合にはその翻訳文を含みます
扶養控除の他配偶者控除、配偶者特別控除、障害者控除についても同様に取り扱います。
年末調整で扶養控除を受ける場合、勤務先への書類提出・提示の義務が生じますが、確定申告で扶養控除を受ける場合は、税務署への書類提出・提示の義務が生じます。
・扶養親族が留学する場合において、その留学が継続して1年以上国外に居住することを通常必要とするものでなければ、その扶養親族は国外居住親族には該当しません。
・国外居住親族に係る扶養控除等を適用する場合の送金額の基準は特に定められていません
・送金関係書類については、代表の方にまとめて送金等がされている場合には、その代表の方のみの送金関係書類に該当し、その方以外の国外居住親族に係る送金関係書類には該当しないことになります


このコラムは、平成27年11月25日時点に施行されている法令等により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、当事務所までご相談ください。