少数株主、名義株主対策

優良な老舗中小企業で多い株主構成

平成2年の商法改正前は、株式会社設立にあたり発起人が原則として7人以上必要であったことから、社長が親戚や知人の名義を借りて会社の設立を行い、出資に必要な資金を社長が負担している例が少なくありません。結果として、株主名簿には社長の他に6人以上が名義上の株主として登録(=名義株)され、現在に至っているケースも多いです。

名義株は、税法上も最高裁判決でも実質的な所有者を株主とすることとしています。

株主の権利は?

株主は、原則として、一株でも所有していると、取締役会や株主総会の議事録を閲覧する権利を有するほか、議決権の割合に応じて株主総会の議案提案権(議決権割合の1%以上)から取締役等の解任請求権(議決権割合の3%以上かつ6か月以上所有)など様々な権利を有しています。

オーナーの経営に影響を与える恐れも...

このように議決権割合が3%程度でもオーナー経営者の経営に口を挟むことが可能となります。もちろん3%程度では、株主総会で提案された決議を可決することは難しいですが、会社としては株主総会を開催するコストや手間を考えると、少数株主権を侮ることはできません。

もう、名義株でなくなっている場合も...

過去に名義株主に配当を支払っている場合や、株券を名義人に渡している場合は、その時点で株式の贈与があったとみなされ、実質株主となっている場合もあるので、過去の配当の有無や株券を発行していないかを確認する必要があります。

名義株主が親戚や知人で無くなっている場合も...

さらに、名義株主の知人や親戚に相続が発生した場合は、その相続人が名義株主となり、オーナー経営者にとっては一度も会ったことが無い人が名義株主となる場合もあります。さらに過去に配当等を支払っている場合は、その相続人が実質株主とみなされるときもあり、より複雑になります。

どんな対策があるか 

 名義株があるケース...できるだけ早く社長とその名義人(又はその相続人)で話し合い、社長に名義変更すべきです。当然に書面を残しておくことが肝要です。
 株式が分散しているケース...相続や取引先への株式の分散により株主が多く存在する場合には、会社自身による買取り(いわゆる金庫株)や、   オーナー経営者の後継者による買取りを検討することになります。 この場合、買取り価額の問題がありますが、それはまたの機会に取り上げたいと思います。

このコラムは、平成25年2月25日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、当事務所までご相談下さい。



 

  

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