タックスヘイブン税制について①

内国法人が軽課税国に子会社を設立し、配当をせずに所得を留保する場合には、租税回避を防止するため内国法人の所得にその子会社の所得を合算して法人税が計算されることになります。

対象法人

特定外国子会社等の発行済株式等の10%以上を、直接及び間接に保有する内国法人又は同族株主グループで保有する内国法人です。
この場合の保有割合ですが、内国法人が株式保有関係がある他の外国法人を通じて特定外国子会社等の株式を保有している場合は、その部分も含まれます。

特定外国子会社等

居住者・内国法人・特殊関係非居住者により発行済株式等の50%超を直接及び間接に保有される外国法人で、所在地国における税率が日本の税率と比較して著しく低い法人になります。

現在は20%以下の税率の国が対象国となっています。

対象金額

特定外国子会社等の各事業年度の基準所得金額から、特定外国子会社等がその各事業年度に納付することとなる法人所得税の額等を控除した金額に、対象法人の株式持分に対応する部分の金額になります。

したがって、この基準所得金額から控除される法人所得税の額等は、その基準所得金額に基づいて計算された金額ではなく、前事業年度の所得金額に基づき計算された金額になります。

外国税額控除

タックスヘイブン税制の適用を受ける場合には、特定外国子会社等が納付する外国法人税のうち課税対象金額に対応する部分の金額については外国税額控除の適用があります。
外国税額控除の適用を受ける場合には、その部分の金額は益金に算入することになります。

また、この場合に控除される外国法人税の額は対象法人となる内国法人の対象年度に納付された外国法人税が対象となるため上記「対象金額」で控除する税額とは必ずしも一致せず、「対象金額」で控除される税額の翌事業年度の税額が対象となることもあります。

益金不算入

合算課税がされた後の特定外国子会社等から配当を受けた場合には、その配当部分は益金不算入となります。

適用除外

特定外国子会社等が事業基準・実態基準等の一定の要件を満たしている場合には、タックスヘイブン税制の適用はないこととされています。
軽課税国において法人を設立する場合には、単に税負担の軽減を目的に設立するのではなく、設立の趣旨や効果をよく検討することが重要になってきます。


このコラムは、平成25年8月23日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、当事務所までご相談下さい。

  

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