総資本経常利益率について

江東区の会計事務所、渋谷広志税理士事務所です。
以前のコラムで自己資本比率をとりあげましたが、今回は総資本経常利益率について紹介したいと思います。

自己資本比率の回にも紹介しましたが、銀行は融資の判断として企業の安全性、収益性、成長性、返済能力の定量評価を行います。今回は総資本経常利益率を高め、収益性の評価を良くするための対策を紹介したいと思います。

1.総資本経常利益率とは

総資本経常利益率とは、総資本のうち経常利益の占める割合のことです。つまりこの指標をみることにより、投資したお金(資本)でどれだけ利益を上げたかがわかります。

総資本経常利益率=経常利益/総資本 ×100

この総資本経常利益率が高いと、資本が効率よく使われていると判断され、逆に低いと資本が効率良く使われていない(無駄に使われている)と判断されます。業種によりこの利益率の良し悪しが変わってきますので何%だから良いということは言えませんが、同業種と比較して高ければ高いほど良い会社と判断されます。

なお、よく似た指標として総資本利益率(ROA)がありますが、これは分子が経常利益ではなく当期純利益となりますので混同しないようご注意ください。

2.総資本経常利益率を高めるには

総資本経常利益率を高めるには、総資本を出来るだけ圧縮し、経常利益を出来るだけ上げる必要があります。

総資本の圧縮方法としては、自己資本比率の回を参照して頂ければと思いますが、リース契約にしたり、定期預金を解約したりする方法が考えられます。その他にも、棚卸資産を持たないようにすれば総資本は圧縮されます。

一方、経常利益を上げるためには、売上げを伸ばして利益を上げることが大前提にありますが、なかなか思うように売上が伸びないときもあるかと思います。
そこで、最終的な利益は変わらなくても、決算書の表示方法を変えるだけで経常利益を上げる方法を紹介したいと思います。

決算書を作成するときに、役員退職金、役員保険料、貸倒損失、特別修繕費、個別貸倒引当金、在庫廃棄損などの費用についてあまり深く考えず、販管費や営業外費用の項目に計上してはいないでしょうか。
もし、該当するようでしたら、これらの費用をどこに表示するかを良く考えてみてください。販管費や営業外費用の項目から特別損失の項目に表示方法を変えるだけで経常利益はその分上がります。
決算時にこのような対策をとることにより、何か特別なことをしなくても、総資本経常利益率が高くなり、収益性の評価が良くなります。

特別損失に計上することが妥当かどうか良く判断する必要はありますが、一度御社でも決算書を見直してみてはいかがでしょうか。

当事務所では、決算書を作成する際にすべての項目を見直し、お客様にとってより良い決算書となるよう努めています。決算申告時のご依頼や資金調達についてのみでも承っておりますので、当事務所への依頼もご検討いただければと思います。


このコラムは、平成26年11月25日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、当事務所までご相談ください。


  

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