平成26年にNISAが創設され、平成28年にジュニアNISAが創設されましたが、平成30年より積立NISAが始まります。
それぞれ株式投資に関する収益を非課税とし投資を促進する制度ですが、各制度はどのように異なるのでしょうか。
各制度の概略
NISA(少額投資非課税制度 、日本版Individual Savings Account )
口座開設の年の1月1日現在20 歳以上の居住者等を対象として、平成26年~平成35年の間に、非課税口座で取得した上場株式等(投資額は平成28年以後年間 120 万円を上限)の配当や譲渡益等について、非課税管理勘定が設けられた日の属する年の1月1日から最長5年間非課税とされる制度です。
ジュニアNISA
口座開設 の年の1月1日現在 20歳未満の居住者等を対象として、平成28 年4月~平成35年末の間に年間80万円を上限として未成年者口座で取得した上場株式等の配当や譲渡益等について、非課税管理勘定が設けられた日の属する年の1月1日から最長5年間非課税となる制度です。
積立NISA(非課税累積投資契約に係る非課税措置)
金融商品取引業者等に非課税口座を開設している居住者等が、その非課税口座に累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以後20年を経過する日までの間に生ずる、累積投資勘定に係る一定の証券投資信託の配当や譲渡益等について非課税となる制度です。
※上場株式等には公募株式投資信託の受益権、ETF、REITなどが含まれ、国債などは含まれません。また口座を開設する金融商品取引業者等を経由して交付されるものに限られます。
※上場株式等を売却したことにより生じた損失はないものとみなされます。他の上場株式等との譲渡益との損益通算や繰越控除をすることはできません。
※積立NISAは平成29年10月1日以後手続、平成30年1月1日以後受入信託が対象です。
それぞれの違いと注意点
・NISA及び積立NISAは口座開設時20歳以上、ジュニアNISAは20歳未満が開設要件となります。
・ジュニアNISAの場合、18歳になるまで払出が制限されます。
・NISAと積立NISAは同一年に併用することはできず、年ごとの選択適用となります。
・積立NISAは要件を満たす投資信託のみが対象となりますが、NISAは上場株式を始めとして幅広い投資が対象となります。
・NISAは非課税期間が5年間となりますが、積立NISAは20年となります。
その他個人型確定拠出年金(iDeCo)も、引出が60歳以上と制限があるものの投資信託による資産運用の1つとしてNISA、積立NISAとの比較検討となることも考えられます。
積立NISAが安定的な資産運用に有用な制度であるように、幅広い方への投資を促す制度が拡充しつつあります。
優遇制度を充分に活用し、資産運用の一助としていただければと思います。
このコラムは、平成29年6月30日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、当事務所までご相談ください。